趣味のソムリエ

クリエイティブプロデューサーの人生を豊かにする趣味の話

映画「JOKER」 歴史に残る大傑作!!!だが、かなりダークな内容。覚悟して観るべし!

超話題作「JOKER」が遂に公開された。

既に公開前から話題を振りまき、

公開3日間の興行収益は全米では9,350万ドルを稼ぎ出し、

10月公開作品としてのオープニング興行収入記録を更新!

全世界では2億4000万ドルを叩き出して、

R指定の映画にも関わらず、超特大ヒットを飛ばしている。

 

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「JOKER」に関しては、

映画館の予告で初めて観た瞬間から、

必ず観に行きたい!と考えていた作品だ。

こんなに公開が待ち遠しく感じた映画は、

近年では「スター・ウォーズ フォースの覚醒」ぐらいである。

ネタばれ無しで書いていこう。

 

元々アメコミなどの映画は大好きで、

バットマンは当然として、スパイダーマン、スーパーマン

アイアンマン、アントマン、アクアマンなどなど、ほとんど観ている。

その中でも一番好きなヒーローは僕の中では

バットマン」である。

 

なぜかと言えばバットマン

「普通の人間」だからである。

もちろんスーパーリッチだし、いろいろな武器も持っているが、

他のスーパーヒーローみたいなスーパーパワーはない。

同じようにアイアンマンも普通の人であるが、

なぜ、バットマンが好きかというとそれは

 

「人間の影」

 

が話に盛り込まれているからだ。

バットマンの主人公であるブルース・ウェインは、

少年の頃に両親を目の前で殺されるという悲劇を背負い、

その後のバットマンという奇抜な行動を取る。

 

バットマンの敵も皆そうだ。

今回の主役ジョーカーにしても、キャットウーマンにしても、

ペンギンにしても、敵役の背景には、

社会的弱者や虐げられる歴史などが内包されてるケースが多い。

 

マーティン・スコセッシが最近、インタビューで評したように、

アメコミ映画は「エミューズメントパーク」的である。

アベンジャーズは特大ヒットになっているのだが、

善と悪に分かれた構図は世界を分かりやすく二分している。

 

しかし、バットマンの主題は違う。

特にクリストファー・ノーランの描いたバットマン三部作は、

その善と悪の主題を深堀りし、哲学的な問いを発している。

 

僕は子供の頃からバットマンは知っていたが、

初めてちゃんと認識したのは、

ティム・バートン版のバットマンを映画館で観てからである。

当時、プリンスが大好きだった事もあり、

バットマンサントラをプリンスが手掛ける事で、

公開前から情報を追っており、

プリンスがリリースした「バットダンス」も大流行り。

 

ティム・バートン版のバットマンは、ブルース・ウェイン役を、

ビートル・ジュース等の主演で有名なコメディアン、

マイケル・キートンが演じるという事で、

公開前はかなり批判を浴びたが、蓋を開けてみたら大ヒット!!

この映画のジョーカー役のジャック・ニコルソンも怪演をし、

確固たる映画の中での、新たなジョーカー像を確立した。

僕も当時は、

「おぉ!ジョーカーって悪役だけどカッコいいな!」

と思っていたものである。

 

その後、バットマン映画は続編が作られるのだが、

ティム・バートンの2部作以降は、

どうも視点が定まらず、微妙な作品を展開していた。

 

その後、クリストファー・ノーランで新たなバットマンシリーズが、

始動するが、しかし、正直、

バットマン ビギンズ」を見た僕は微妙~。。。。。。

なんだかなぁという感じであった事は否めない。

 

なので、2作目の「ダークナイト」も正直、期待は全然していなかったのだ。

ところが、全米で公開されるや、あっという間に大ヒットで、

記録をどんどん塗り替える!

これは一応、観に行っておかないと映画好きとしてはダメだなと思い、

直ぐに見に行ったのだ、その時の衝撃といったらなかった!

 

冒頭から前作とは全く違う緊迫感。

ジョーカーの描写はとにかくリアリスティックになり、

演じているヒース・レジャーのしゃべり方、雰囲気、

歩き方から、仕草まですべてが狂気をはらんでいた。

映画を観ている途中からこれはとんでもない大傑作だ!!!

と震える興奮は押さえられず、

主人公のバットマンよりも、ジョーカーに釘付けになっていた。

 

ダークナイト」を観た人はほぼ同じ感想だと思うが、

これは「ジョーカー」の映画だ。

物語の最初から最後までジョーカーの

いかれたカッコよさが群を抜いている!!!

最高にクールな、映画史に残るヴィラン(悪役)の誕生である!

 

映画を観終わった後にジョーカー役のヒース・レジャーは、

本当に大丈夫なのか?と思ったが、

残念ながらやはり

 

「亡くなるほどの狂気の演技」

 

であったのだ。

その後のヒール・レジャーの記事を拝読したが、

このジョーカー役にのめりこみ過ぎて、

精神が不安定になり、睡眠薬等の薬の併用の事故で亡くなってしまった。

なんという損失。。。残念でならない。

そのヒースの人生の全てをかけたジョーカーという役。

多くの人がそうであるように、

 

「ジョーカー=ヒース・レジャー

 

を超える者はいないと確信していたほどである。

その後はジョーカーを演じる俳優はいなくなったと言われるほど、

ハリウッドでも高度な役としての地位を築いてしまった。

 

このヒース・レジャーのジョーカーの誕生によって、

ジョーカーという役は

 

「孤高のヴィラン

 

として、他の悪役とは全く違う存在になったのだ。

 

この鬼門と化したジョーカー役を、

数年前「スーサイド・スクワッド」でジャレッド・レトが演じたのだが、

ジャレッド・レトは本当に精いっぱいジョーカー役を演じたが、

やはりどうしてもカリスマを超える事は不可能だった。

 

そのジョーカー役に今回、名優ホアキン・フェニックスが挑んだ。

監督はなんと「ハングオーバー」というコメディー映画で有名な、

トッド・フィリップスである。

最初は相当意外な感じがしたのだが、

映画の情報が入ってくるにつれて、

違う思いが沸きあがってきた。

 

ジョーカーというのは、

「笑い」を武器に戦う悪役である。

笑いというのは非常に社会性が関係している。

その同時代性が浮かび上がってくるものだからだ。

 

ダークナイトのジョーカーは「なんでこんな事をするんだ?」という質問に、

「ダダのジョークさ」と答える。

あらゆるものを全て「笑い」に変えてしまうのだ。

笑いの専門家である監督は表裏一体である社会性も

あぶりだしていく事ができるのではないかという事だ。

 

今回の「JOKER」は予告を観れば一目瞭然の様に、

JOKER誕生までの物語である。

それも、予告通りの「クソみたいな人生」を送っている男の話である。

 

みんなJOKERになるのは分かっている。

つまり結末は全員知っていているのだ。

それまでの道筋を追うドラマである。

 

前回の映画紹介で書いた、

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」とある意味では似ている。

結末はマンソン・ファミリーのシャロン・テート惨殺という事は分かっているからだ。

その結末は分かっているドラマをどう描くかという、

非常に難題で難問の映画に

監督のトッド・フィリップスホアキン・フェニックスは挑戦したのだ。

 

長々と書いてきたように、

ジョーカーという役は既にアカデミー賞を取るようなレベルではないと、

演じられないような孤高の役どころである。

それも僕らの様な一過言ある映画ファンがとても大切に何十年も

思い続けているキャラクターなのだ。

 

そのキャラクターを新たにクリエイトし直すという、

正に偉業を達成しようと、この企画を提案し、

監督のトッド・フィリップスホアキン・フェニックスは、

脚本を練り上げ、人物造形をし、リアリスティックに描き切った。

 

映画を観ていると、JOKERの生成過程は、

過去のシリアル・キラー等の

プロファイリングを参考にしているような感じで、

どうやって人は壊れていくのかを、

丹念に描いている。

 

そして、ものすごいプレッシャーと、

期待の中で見事にやり遂げたのだ。

それは興行成績にも表れているし、

批評家からの絶賛や、金獅子賞受賞、

恐らくアカデミー賞も総なめするだろう。

そのぐらい、歴史に残る大傑作を生みだしたのだ!

 

だが、その大傑作は「重い」

アメコミ映画を観に行くというつもりで観に行くと、

しっぺ返しを食らうほどの重さだ。

 

ダークナイトのジョーカー役も、

哲学的な問いを発し、リアリティーも重さもあったが、

今回のJOKERはそれとは比べ物にならないほどに、

重いのだ。

 

それは現実の「重さ」である。

 

トランプ大統領が誕生した時に、

ポリティカル・コレクトネスなんてクソくらえ!」

と支持者が叫び、投票した。

ネオリベラルが現在、攻撃されている理由が、

このJOKERには描かれているのである。

 

現実はそんな

 

「理想論のなまっちょろい机上の空論で回るわけがない」

「綺麗ごとの嘘が新たな悲劇を生み出している」

 

という事が、

嫌というほどJOKERという映画から醸し出されているのである。

 

その悲劇的である人生を笑いに転換する時、

ジョーカーが誕生する。

 

ホアキン・フェニックスの演技は、

とてつもなく、こちらに迫ってくる。

これならアカデミー主演男優賞も楽勝で取れるだろう。

是非、劇場でその「重さ」を体験してきて欲しい。

 

最後にこの映画を一言で言い表している言葉を記しておこう。

 

「人生は悲劇だ。 

クローズアップで撮れば。

 

しかし、ロング・ショットで 

撮れば喜劇になる」 

 

出典引用 チャップリンの言葉

 

是非、観るべき大傑作である!

 

出典引用:DCコミックス ワーナーブラザーズ

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