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映画「セッション」 映画史に残る金字塔!息をするのも忘れるほどの緊迫感!

映画「セッション」

セッション(字幕版)

セッション(字幕版)

  • 発売日: 2015/10/21
  • メディア: Prime Video
 

 ↑↑↑とにかく観て欲しい!!↑↑↑

※後半からネタばれで展開します!
 未見の方はご注意を!

今年のショ―レースでの
ダークホースはこの「セッション」だろう。

サンダンス映画祭やゴールデングローブでも
賞を取り、さまざまな映画賞を総なめ。

アカデミー賞でも5部門ノミネート、
3部門受賞という快挙を成し遂げた!

僕はこのブログでもJAZZ好きな事は
書いているし、年代的には
「スポ根」ものもど真ん中の世代だ笑
公開したらスグにでも観に行こうと
思っていたが、このタイミングになってしまった。

この映画を知った時に、
一番、意外に思った事は
アメリカもこういう根性論的教師が
いるんだぁ!!!って事だ。

もちろん、過去のアメリカ映画でも
軍隊物には鬼軍曹はよく出ているが、
他のジャンルの教師でここまでの
鬼軍曹ぶりなものは見た事がなかったからである。

ストーリーは予告を見れば分かる通り、
音楽を目指す若きジャズドラマーが
名門音楽院の鬼軍曹ばりの
音楽教官から地獄のしごきを受ける話である。

このストーリー展開は
日本人には非常に受け入れやすい設定だ。

日本でも有名監督なんかは
鬼軍曹的な人がごろごろいるからである笑

だから、余計に良く分かる内容になっている。
誰でも部活等で一度はなんとなく経験しているからだ。
映画を見て、アメリカ人なら、
ここが限界の追い込まれ方なのかもしれないが、
正直、僕が昔、部活で受けたしごきの方がきつかった笑

教師に殴られるのなんて日常茶飯事。
竹刀でもよく殴られた。

野球部だとケツバット。
正に「巨人の星」そのままの根性論的しごきだ笑

正直、日本人的にはぬるいと感じる場面もある。
アメリカ人からみたら拷問に等しいのだろうが笑)

さて、映画の内容に関しては上記以上の事はないのだが、
なぜ、このシンプルな内容の映画が、
ここまで各映画賞を総なめしているのかというと、
タイトルでも書いた様に

「異様なまでの緊迫感の描写が秀逸」

なのである。

誰でも小さい時や、
学生時代に先生に怒られる時の気持ちになる。

また、その怒られる教室の密室感や
空気感まで見事に再現されているからである。

映画を見ていると、まるで

「自分が失敗し、怒られるような気持ちになるのだ」

その追い込まれ方も半端ではなく、
見ている観客も徐々に
精神的に追い込まれていくのである。

この辺りは「ブラック・スワン」と一緒で
まるで「スリラー物」のようだ。

それにしても、アカデミー助演男優賞を受賞した、
J.K シモンズの演技は圧巻だ!

その激しい全身からでる罵倒と、
静けさ、意地の悪さは半端ではない笑

この演技でアカデミー賞がとれないわけがない。

主演のマイルズ・テラ―も非常にいい演技をしている。
何よりもドラムが最高にいい!

ちなみに、この映画は

「JAZZ映画ではない!!」

論争がアメリカのJAZZシーンを筆頭に
起こっているらしいが、

確かに「JAZZ映画ではない」

この映画はJAZZをモチーフにした、
アクション映画の様だ。

このデイミアン・チャゼル監督のインタビューを聞けば分かる。

「この映画では音楽系ではない映画を参考にしたんだ。
 『セッション』は、音楽映画というより、
 アクション映画のように作りたいという気持ちが強かったから。」

この言葉通り、
鬼教師フレッチャーとの場面は

「完全にアクション映画の様だ」


※以下からはネタばれでいきます!
 読む方はご注意を!!!


後半の場面でマイルズ・テラー扮するアンドリュ―が
出血してもドラムを叩くシーンがあるが、
この血はなんと

「本物のマイルズ・テラ―の血」

なんだそうだ!!!

撮影中でも既にそんな極限の状況だったのだ!


更に、ラストの9分19秒。

もう巷では噂になっているこのラストだが、
この9分19秒だけでも短編として成立し、
最高の賛辞を浴びる程の素晴らしいエンディングである。

監督はインタビューでこの映画のテーマを

「素晴らしい演奏にするために、
 どこまでやって良いのかというジレンマに焦点を当てたかった」

という事である。

あらゆる才能がTOPを目指す時に、

「どれだけの犠牲を払うべきか」

という根源的な問いかけである。

実際、デイミアン・チャゼル監督自身も
高校時代にジャズ・ドラマ―で
この映画の様に鬼教師からの指導で、
トラウマになってしまい音楽の道を諦めたという
経歴があるのだ。

そのトラウマに監督は挑んだのだ。¥

さて、ラストの展開に関してだが、
ラストの演奏は映画の中でも
ベストオブベストの演奏で、
圧巻の一言である。

しかし、その演奏までに行きつく道程には、

「あの鬼教官フレッチャーの指導があったから」

でもある事は明白であるのだ。

あの地獄のような特訓で、
追い込まれなければアンドリューは
ここまでは到達できなかったはずだ。

それが、ラストの演奏によって昇華されている。

つまり、パラドックスに入ってしまうのだ。

「ここまで追い込まれなかったら、
 ここまでの演奏までには到達できなかった。」

「しかし、ここまで追い込んで良いものか?」

というパラドックスだ。

この疑問が僕の中でぐるぐるぐるぐる回っている。

そう、これこそが監督が目指した映画のテーマでもある。

それにこの映画は中毒性がある。
なぜかあの鬼教官フレッチャーの緊迫感のある、
空間に戻りたくなるのだ。

不思議な魔力がある映画だ。

とにかく、本当に素晴らしい映画!!

未見の方は今すぐ見る事をおすすめします!!!

 

出典引用:「セッション」 ギャガ

 

 ↓↓↓未見の方は是非!!!↓↓↓

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