趣味のソムリエ

クリエイティブプロデューサーの人生を豊かにする趣味の話

映画「バードマン」 玄人むけの映画。なかなか人生を考えさせられる。

今さらだが、ずっと観ようと思っていた。
「バードマン」を観てみた。
アカデミー賞4部門を獲得した作品だ。

 

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作品の内容は上のバナーか、Wikiで見てもらうとして、
最大の興味はやはり主演のマイケル・キートンが、
ほとんど自身と被る役を引き受けたという事である。

1989年に映画化された「バットマン」の
主役がマイケル・キートンだった。

当時はコメディ俳優であるマイケル・キートン
バットマン役なんて!!!信じられん!!!と
制作当初より、ファンから総スカンを食らっていたのだが、
映画が公開されてからは
評価は一変し、マイケル・キートン

バットマン役は当たり役となり、
第二作目の「バットマン リターンズ」が制作された。

しかし、マイケル・キートンもその後は、
なかなかバットマン以上の

名声を得られる役がなく、苦しんでいた。

まさに、マイケル・キートン

この映画「バードマン」の主役とは、
イコールに近いのだ。

監督のアレハンドロ・G・イニャリトゥも
マイケルが主役を引き受けてくれなかったら、
この映画は撮れないとまで言っていたぐらいだから、
最初からこのマイケルも含めての企画だったのだろう。

この脚本とマイケルの主演に加え、
巷でもこの映画の特徴である長回し撮影」
よく話題に上がっていた。

長回し撮影」とは1シーンをカットで割らなく、
ず~っとカメラを回しっぱなしで撮影する手法だ。

素人の方はなんのこっちゃわからないかもしれないが、
今の映画や映像はとにかく細かくカットを割る。
それこそセリフ「一言ごと」に割ってもいいぐらいだ。
それを編集でつなぎ合わせるのである。

当然、俳優も短いシーンなので、
NGを出しても撮り直しはそれほど苦労はしない。
スタッフにもそれほど負担はかけない。

だが「長回し」で撮影するとそうはいかなくなる。
この映画は10分近くも「長回し」で撮影するシーンが
多くあるが、これは大変な事だ。

10分間ずっと俳優は演技をし続け、
更にスタッフのカメラワーク、立ち位置、
照明、物事が起きるならその全てを

「最初から最後まで完璧なタイミングで行わなくてはならない」

からである。

10分の長回しで9分の所で、セリフを間違えたり、

俳優やカメラマンの位置が間違っただけでも
その前の8分の演技や撮影したものは

すべて「無駄」になるからだ。

これは正直、一般の観客の人には

なかなか分からないかもしれないが、
僕ら制作からすると、

「この長回しだけでもシーンが緊張する笑」

うわぁ~良く撮ったな!!!
今のシーン!!!スゲぇ!

って映画の中身は別として感動してしまうのだ笑
観始めてすぐに思った事は

「これは玄人向けの映画だな」

という事だ。

長回し」多用のシーン。
全てがシームレスにつながり、
物語は有機的につながり、全てが溶け合い
人生を浮き彫りにする形になっている。

また、この「長回し」によって、
シーンの切れ目が無いために、
その流れで観ている観客がいきなりアクシデントが
挿入されるとかなり心理的に圧迫されるという効果も与える。

これはこの「長回し」という手法による効果だ。

それにこの「長回し」での

「俳優陣の演技は神がかっている」

特に主演のマイケル・キートンの演技は素晴らしい!!!!
予告でもある老体を曝し裸でマンハッタンの
ど真ん中を歩くという体当たりの演技も見せている。

マイケル・キートンって本当に演技が上手い!

と唸らされた。

また、相手役のエドワード・ノートンの演技も素晴らしい。
まぁエドワード・ノートンは元々演技派で
ブロードウェーにも出ているぐらいだから、
この演技は納得であるが、それにしても凄い。

テクニック論ばかりの話になってしまうが、
まず、そういう観点からもこの映画を観ないと、
なかなか楽しめない作品かと思う。

作品の内容的にはなかなか哲学的で且つ、
人生の重めのテーマでもあるからだ。

過去の栄光にすがるスターの話だけという訳ではなく、

「人生においての自らの存在とは?」

というテーマだからだ。

これは自分にも当てはまる。

この映画は主人公の3日間を追う旅の様な構成になっているが、
僕も含め中年になった人なら、
この苦悩の一部は共感する部分が多々あるであろう。

結局、人生というものは、

「自分がいかに納得するか」

でしかないのだ。

主人公は3日間の濃縮した期間で
答えを見つけたのかどうか、
ラストが暗示的に終了しているのでそれは
観客の解釈に委ねられている。

玄人向けの作品なので、
とても万人にはお勧めできないが、
僕的にはとても考えさせられ、
素晴らしい作品だと思った。

 

出典引用:「バードマン」 20世紀フォックス バットマン 

 

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